源流はたけの学校は子供から大学生、社会人と幅広い世代が、源流の農業を体験し学び、そして味わう学校です。源流大学の畑では、ジャガイモ・大豆・ソバ・サトイモ・ダイコンなど村民が作り続けている作物を栽培しています。
多摩川源流に位置する小菅村では、昔からできるだけ農薬や化学肥料を使わずに、落ち葉堆肥や有機肥料を使った農業を行い、下流の地域にきれいな水が流れていくようにと意識をしていました。源流大学でも、秋に集めた落ち葉を使用したり、村内で出る生ごみと林業廃棄物となるおが粉等を発酵・熟成させた土壌改良剤「多摩源流畑の素」を使用したり、環境保全型農業に取り組んでいます。
小菅村の農のある風景や村の資源を循環させる農業技術を繋げていくための実習を年間を通して実施します。
第1回目の実習は「4/22・23 春の山菜採りとジャガイモ植え」を行いました!
村民・村外を含め21名に参加いただきました。今回の実習を担当した山下が山菜採りの報告をお届けします。
午前中に行った山菜採りでは、村に生まれ村で育った村民の奥秋正次さんに講師をしていただきました。
資料を配布し、山菜採りのマナーや山に入るルールから説明していきます。
①山菜を採ってもいい場所か確認する
②採りかたを覚える
③自分が食べられる量だけ採る
④食べられるものを採る
⑤山に入るルールを守る
山菜が収穫できるように、山を守っている人がいる・管理している人がいる、ということを忘れずに。自然に生えているものだから自由に採っていいという勘違いがないよう、また安全に楽しく山菜採りができるように伝えます。
源流大学の事務所がある白沢集落をぐるっと歩いて収穫を行いました。途中で白沢ガイドも挟みながら進んでいきます。
正次さん「昔はここに田んぼがあって、お手伝いをしていたな。今はすっかり空き地になっているけれど。」
山下「ここの空き地では新しい取り組みがはじまっていて、食料や日用品を届けるドローンが着陸する場所になっているんです!(白沢ではまだ実験中)」
昔の風景を思い出しながら、新しい事業を紹介しつつ、その空き地に生えていた「イタドリ」を収穫しました。
第一山菜の発見です。
そんなこんなで、1時間半ほど歩きお腹いっぱいになるほどの山菜を収穫することができました。
なんと採れた山菜は13種+差し入れのコシアブラで14種類!
「ワラビ・コゴミ・ゼンマイ・せり・みつば・イタドリ・ヨモギ・ノビル・タラの芽・ノカンゾウ・ウド
トトキ/ツリガネニンジン・ギボウシ・ネギボウズ」
昼食には灰汁抜きが必要ない山菜を天ぷらにし、みんなでいただきました。
人気はコシアブラとネギボウズ!心地よい苦味を楽しみながら食べていきます。
灰汁抜きが必要で今日はワラビは食べられない…と思っていたら、白沢集落のお母さんが灰汁抜きしたものを持参してくれ、即席でワラビとタマネギのマリネを作っていただきました!山菜と酢の物で健康的&絶品でした。
長く寒い冬の間、作物が育てられない農山村地域では、春の訪れを知らせる山菜は体も心も喜ぶ存在だったのではないでしょうか。
普段歩く道に生えている雑草だと思っていたものが、食卓を彩る食材に変わる。スーパーで買って調理するのとはまた違う。そんな心の変化を感じるのが、村暮らしの楽しいところでもあります。
消えつつある食文化を学び、体験し、一緒に味わう実習を開催できるよう、引き続き人生の先輩方に話を聞いていこうと思います。ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。
次回の食文化の実習は「6/10 梅採り」です。ぜひご参加ください!