【水源の森再生プロジェクト】#2 ~山の涵養力を育てるボサ置き・土留め・石積みの施工~

《水源の森再生プロジェクト》とは

昔の人たちは、森林の経営と開発を一体とした、自然と共生する土木造作を行ってきました。

多摩川源流の小菅村には、源流の森に囲まれた冷涼な沢の水を活かし数多くのワサビ田があります。
ワサビ田には、表層を流れる沢の水の他、底や側面から湧きだす伏流水が田全体を潤すことで良いワサビが生産されていました。それら伏流水の流れが止まってしまっては成り立ちません。
伏流水を活かしその流れを止めない、かつての「山への向き合い方」をワサビ田には未だに見ることができます。

しかし、人工林が広がり、自然を押さえつけるような開発が進んだ現在、そうした山や自然に対して向き合う姿勢は失われてしまっています。

自然災害が後を絶たない現代においては、山の環境改善は急務です。

◆講座の目的◆

「自然と共生する昔の知恵に学び、
山を育て、自分を育てる」

本講座で学ぶのは、環境改善の技術だけではありません。

「山に向き合う姿勢」を持っていただくことを目指します。
自然を読み解く観察力を身につけ、
日本各地で環境再生を指導する方を養成していきたいと思います。

◆各講座の概要とスケジュール◆

2021年は全3回の講座を通して環境改善の技術と「山に向き合う姿勢」を学びます。
基本となる、山の土中環境を傷めず育む作法は、毎回の実地の中でさまざまにお伝えして参ります。

・第1回(終了)「山の涵養力を育てる作業道のつくり方」6月26日(土)~27日(日)開催済み

▶第2回 「山の涵養力を育てるボサ置き・土留め・石積みの施工」10月9日(土)~10日(日)
小菅村の源流域各所にあるわさび田は、石垣を整備することで傾斜を調整しつつ、伏流水を保ってきました。泥詰まりして伏流水の流れを止めてしまうと、わさび田として使えなくなってしまう事から、山の安定に常に留意して、崩壊箇所にはその都度石を積んで修復していました。その積み重ねが、治山治水の効果を発揮し、山を安定させてきました。今回の講座では、かつてのわさび田の施工から読み取れる石積みの作法を学びます。また前回に引き続き、斜面の崩壊への対策や、根上がりした樹木の株元の土砂流亡への対策など、山で今まさに抱える諸問題への対処もお伝えする予定です。
・第3回 (第1回、第2回の作業の進行状況と人工林の状態を踏まえて決定)12月上旬頃(予定)

※第3回については、詳細が決まり次第、募集を実施いたします。
※作業の進捗状況や、環境の変化によっては、各回の作業内容が変更になる場合がございます。


◆開催概要◆


▼第2回 開催日時
2021年10月9日(土)~10日(日) 2日間行程

〇1日目:10月9日(土) 9:00~16:30
〇2日目:10月10日(日) 9:00~16:30

※2日間参加をお勧めしますが、1日目のみの参加も可。2日目のみ参加は不可。
※宿泊を希望される方は、各自でご予約ください。
※雨天決行、ただし講座内容には一部変更あり。

▼場所
山梨県北都留郡小菅村
(作業会場は、道の駅こすげから徒歩数分)

▼参加費用(第2回)
15,000円(2日間参加費)

▼使用道具(各自持参。お持ちでない方は貸出しいたしますが、数には限りがございます。)
・作業用手袋
・ヘルメット
・腰ノコギリ
・なた
・剪定ばさみ
・石頭ハンマー
・移植ごて(先が細めの)

(以下は源流大学より活動班ごとに貸出いたしますが、ご自身のものをお持ちいただいても構いません)
・剣スコップ
・平ぐわ
・三本鍬
・つるはし

▼定員
40名限定

▼申込み期限
2021年10月4日(月)15:00


▼参考書籍
〇高田宏臣著『土中環境 忘れられた共生のまなざし、蘇る古の技』建築資料研究社

〇NPO法人地球守編『自然読本④ ナラ枯れはなぜ起こるのか?土中環境から考える、持続する森の育て方』

※『土中環境』および『自然読本』①~④は、講座当日現地にて販売を行いますので、その際にご購入いただけます。ただし、冊数には限りがございますのでご了承ください。
※講座受講前に購入したい方は、NPO法人地球守のHPをご覧ください。

 

◆開催当日の流れ◆

▼集合時間 : 10月9日(土) 午前9時00分(※8時30分より受付開始)

▼集合場所 : 道の駅こすげ 第1駐車場奥
(道の駅周辺の地図はこちら

▼スケジュール(予定)
〇1日目:10月9日(土)
  8:30 参加者受付開始
  9:00 わさび田見学
 11:00 ガイダンス等
 12:00 昼食
 13:00 午後の作業
 16:30 1日目の作業終了
(↑ 1日目のみの参加者はここまで)
※宿泊を希望される方は、各自でご予約ください。

〇2日目:10月10日(日)
  9:00 集合、作業開始
 12:00 昼食
 13:00 午後の作業
 16:00 2日目の作業終了
 16:30 解散式

◆講師◆

高田 宏臣(たかだ ひろおみ)
NPO法人地球守 代表 
株式会社高田造園設計事務所 代表取締役

1969年千葉県生まれ。東京農工大学農学部林学科卒業。
1997年独立。
2003~2005年日本庭園研究会幹事。
2007年高田造園設計事務所設立。
2016年~2019年NPO法人ダーチャサポート理事。
2016年~NPO法人地球守代表理事。
 国内外で造園・土木設計施工、環境再生に従事。土中環境の健全化、水と空気の健全な循環の視点から、住宅地、里山、奥山、保安林等の環境改善と再生の手法を提案、指導。大地の通気浸透性に配慮した伝統的な暮らしの知恵や土木造作の意義を広めている。行政や民間団体からの依頼で、環境調査、再生計画の提案、講座開催、および技術指導にあたる。
 主な著書に『土中環境』(建築資料研究社)『これからの雑木の庭』(主婦の友社)、共著に地球守の自然読本シリーズ、他。

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〈 協 力 〉
小菅村役場
NPO法人地球守
株式会社高田造園設計事務所
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