【開催報告】水源の森再生プロジェクト 最終講座

2021年度より活動してきました、水源の森再生プロジェクトの講座が3年間の活動の一区切りを迎え、この度まとめの講座を開催いたしました。

2023年度からは、源流の森整備隊としてボランティア活動を開始しており、2024年度以降も、引き続き活動を継続していきます。今回の講座はこれまでの作業の振り返りと、今後の活動について考える講座となりました。

1日目午前:水源の森の所有者への報告、意見交換

3年間の活動を見守ってくださった、水源の森の山林所有者の方に現場に来ていただき、活動で行ってきたことを報告しました。

お話しを伺うたびに、子どもの頃に山で遊んだ記憶をたくさんお話ししてくれます。「ここにこういう道があった。」「あっちにスズが生えていた」など、半世紀以上前のことなのに、山への記憶が鮮明で驚きます。かつて水源の森の山が桑畑だった頃、その後スギ・ヒノキの植林をした頃の様子も、教えてくださいました。ご自身がキノコ栽培に力を入れていることもあり、ナラの木の山への思いも一層強いようです。一方で、先代が残してくれた木々が、価値あるものとして活きてほしい、という強い思いも伺えました。

1日目午後:現地振り返り

3年間作業を行った水源の森の現場にて、これまでの作業と変化の様子を見学しました。

1年目に施工した作業道や石積み、2年目に行ったマウンド作りや広葉樹の植樹を見ることができます。

また、初年度にパッチ状に皮むき間伐を行い、立ち枯れした木も多く、少しずつ光が入るようになってきている様子も見ることができました。

皮むき間伐は、樹皮を一周剥がし、成長を止めることで立木のままゆっくり時間をかけて枯らす方法です。2年ほど時間をかけるとことです。急に伐倒すると、地面の環境が急に大きく変化してしまいますが、徐々に枯らすことで、少しずつ変化させることができます。また、2年ほど経つと、水分が抜けて木自体が軽くなることから、伐倒時の地面への衝撃を減らすことができる他、丸太の搬出も容易になります。

この冬に、実際に2年間半ほど経過した皮むきした木を数本伐倒しました。

これから、植樹した苗木や新たに芽吹いた木々が育つように、立ち枯れさせた木の間伐をさらに進めていきます。

後半2時間ほどは、作業も行いました。その場にあるものだけを使い、唐鍬1本と最小限の腰道具で、各自できる作業を実践しました。

はじめての参加の方も、他の参加者と対話しながら作業に取り組めたようでした。

2日目午前:座学講義

二日目の講義は、小菅村の沢のいたるところにあるわさび田の重要性を再認識する講座となりました。

わさび田の施工を通じて昔の人々が山を守ってきた名残を、小菅村の山では今でも見ることができます。今回は現地を訪れることはできませんでしたが、写真と図で説明いただきました。

本プロジェクトに参加し、その後ご自身のフィールドで活動を展開されている3名の方から、活動について紹介いただきました。

締めくくりの講座の開催にあたって、3年間の講座で水源の森で行ってきた活動をまとめた資料を、村内で活躍するデザイナーで本講座の参加者でもある関口章子様にまとめていただきました。

下記より、ダウンロード可能ですので、ぜひご参照ください。

3年間の講座にご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

講座形式での開催は、今回で一区切りとなりましたが、昨年度より開始しましたボランティア活動での作業は継続して行っていきます。苗木作りや植栽、皮むき間伐を行った木の伐倒など、さらなる作業を進めていきますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

多摩川源流大学 事務局

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