【活動報告】6/26-27「水源の森再生プロジェクト」#1

こんにちは、源流大学事務局の青山大我です。

6月より、山梨県小菅村の「水源の森再生プロジェクト」がスタートしました。

山梨県小菅村は、東京都と神奈川県を流れる多摩川の源流域に位置し、村内の山林は多摩川の水源林としての役割を持っています。東京都の約17%は多摩川を水源としています。そのため、小菅村の山林の一部は、山梨県内にありながら1901年より東京都水道局が買い取り、管理してきました。

小菅村の山林は、村内にとってだけでなく、100km以上離れた河口に至るまで、多摩川流域全体に対して重要な役割を持っています。

近年、水害や土砂災害が相次いでいることもあって、森林のもつ水源涵養機能に改めて注目が集まっています。小菅村内でも、手入れの行き届いていない人工林や、自然本来の機能を無視した大規模工事など、山林が水を保つ機能を低下させるような状況が至るところで見受けられます。

私自身、2019年10月の台風災害の際には多摩川下流域の川崎市に住んでおり、氾濫寸前の川を目の当たりにして改めて水源林の意義を再認識したものです。

この講座では、多摩川源流域の小菅村の森林で、水源の森の力を学びます。学びながら環境改善を実践し、水源の森の復活を目指していきます。

小菅村の源流の風景。
大切な水源林の役割を果たせなくなりつつあります。

今回の会場となった山林は、スギやヒノキの人工林。東京都水道局の森林隊ボランティアの方々が、数年前に一帯で間伐・枝打ちをおこなった土地です。間伐・枝打ちを行った人工林は、地面まで日が差すようになり、林床が明るくなります。

しかし、枝打ち・間伐の作業を行ってから5年近く経ってもなお、下草は少なく、広葉樹の幼木もあまり見られません。このままでは、このスギ・ヒノキ林は、水源涵養の機能を果たせません。

この講座では、枝打ち・間伐で手入れを終わらせず、その先で森のためにすべき造作を、水と空気の流れに注目して学びます。

高田先生の講義からスタート。
全国から40名の参加者にお集まりいただきました。
道の駅から見た会場の山。森の中が真っ暗です。

初回の今回は、我々が山林に入るにあたって通ることになる、「道」づくりから始まりました。

我々の一歩一歩も、その歩き方を間違えれば大人数で山を傷めることにもなります。

斜面の道に水平な面をつくっていき、段の下になる箇所には穴をつくって水が入りやすくします。さらに、落ち葉や炭を置くことで、よりよい道になるそう。斜面をそのままにしておくと、降った雨がしみこまずにそのまま流れだしていってしまいます。

山を傷めない歩き方、さらには土中に水がしみこんでいく、そんな道づくりです。

山林の奥に進んでいくと、間伐、枝打ちの作業から5年近く経ったにもかかわらず、朽ちずにそのまま残っている枝や丸太がたくさん積まれています。

これらは適切に積んでおかないと、なかなか土に還りません。

枝の束に枝を絡ませて固定したり、広葉樹の枝や落ち葉と合わせたりと、土地が安定するように手を加えていきます。

スポット間伐も行っていきます。

林床にこれから育てたいクヌギやコナラの幼樹がある箇所に着目しました。まとまった5本ほどの木を間伐すると、林床に日が当たる箇所ができて、下の広葉樹が育ちやすくなります。

今回は、皮むき間伐を実践しました。外側の樹皮をはがすことで、成長を止め、木を立ち枯れにして伐倒する方法です。

1~2年後に伐倒する際には木が軽くなっており伐倒しやすくなるほか、そのときの地面へのダメージも小さくなります。

さらに、徐々に枯らしていくので、急激な環境の変化を抑えることで、風の影響を受けたりすることも少ないそう。

皮むき間伐に挑戦。

10月に開講する「第2回」の先取りで、石積みづくりも少しだけ実践しました。

小菅村の源流部のいたるところに残る「わさび田」。その多くはすでに栽培をやめてしまっていますが、わさび田跡を囲う石垣を見ると、かつてのわさび田の営みがいかに自然をしっかり向き合っていたかを見ることができます。

自然と、山と、向き合っていたかつての姿勢にならう石積みを、次回「第2回」で学んでいきます。

古くの石積みを再現します。

水源の森再生プロジェクトでは、「第2回」の開講の前に、番外編として竹林整備を行うことになりました。

管理が行き届かず藪化した竹林を、生きた竹林として整備する、あるいは複層林に戻していきます。さらに、作業で伐採した竹材を燃やして炭を作って、道づくりで使用する竹炭材にすることもできます。

竹林を整備しながら山林の改善に活用する、小菅村全体で循環する環境改善を目指します。

(竹林整備編は8月上旬、第2回の講座は10月を予定しております。)

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