【高田造園設計事務所「ダーチャ」の視察に行きました】

 本年度からNPO法人地球守様とともに進めている「水源の森再生プロジェクト」の勉強として、地球守様が活動している拠点の一つ「ダーチャ」(千葉県千葉市)の視察に行きました。

 小菅村の源流大チームに加えて村内で活動する小菅つくる座、フォレストアドベンチャーこすげのメンバーも同行し、小菅村の山林活用を考えながらの視察でした。

視察したのは、①高田造園の事務所、②ダーチャ、③千葉市「昭和の森 四季の道」の3か所です。

①高田造園の事務所

 作業で使用する道具や、資材の保存の様子を見学しました。

竹炭の保管
種類や大きさ別に分けられていて、使いやすく、見た目も整っています。

 2022年度の春の講座では、本格的に植樹を行っていく予定です。どんぐりポット苗づくりも教えていただきました。

 ポットに入れる土は、腐葉土と炭と落ち葉を層状に重ねて土づくり。
土はつぶれず空気が通っていて、乾かない土になるそうです。
土には空洞が残っていて、菌糸がはっていました。

②「ダーチャ」

 ダーチャの敷地内には、針葉樹が植えられた斜面があり、数年かけて広葉樹の植樹により、早くも変化が見られました。小菅村に広がる広大なスギヒノキの人工林に手を加えていくことで、どういった変化が起きていくのか、その参考にすべく、見学しました。

手を入れ始めて約3年のヒノキ林。皮むき間伐を進め、植樹した広葉樹の苗木が成長しています。
スギ林も、広葉樹が育ち、林床から変化していました。

スギ・ヒノキ林の斜面の下側に位置する平地です。きれいな水が流れる川になっていました。斜面を正しく整備したことで、山の水が浸透していく様子がわかる場所でした。

スギ林の斜面下にある一角。
水路が通り、元田んぼの土地が泥づまりしていたものを、整備したもの。
「川」の上にある大きな谷部分。
講座で勉強した造作が施されていました。

ダーチャの小屋。雨どいはつくらず、地面に水が浸透する仕組み。

ダーチャ敷地内には、いろいろなところに石畳みがありました。

人や車がよく通るところでは、土中の水や空気の通る空洞がつぶれてしまうので、炭と落ち葉を撒いて、石を敷く。

③千葉市「昭和の森 四季の道」

 2019年の台風で多くのスギが倒木した昭和の森の人工林を、地球守様が2年間作業を行っている土地です。

まず目に入るのは、一昨年倒木したスギの片付けた様子。森の中では邪魔者として放置されがちな丸太ですが、正しく積みあげれば、きちんと自然と一体化して次世代の木が育つ場所になっていました。

倒木が積まれ様子。
丸太の上に置かれたどんぐりは、もう芽を出しかけていました。

 倒木を片付けた後には、たくさんのマウンドが作られていて、もう背丈を超えるくらいになった広葉樹が育っていました。

また、山林全体を作業するのではなく、重要なポイントを改善するだけでも、森全体の環境が改善できる、とのこと。

 公園の入り口のあたりと、四季の道と2か所に設置されていた「落ち葉循環ステーション」。すぐ脇にある樹木にも影響を与えるそうです。

 四季の道の再生活動も含め、一般市民も多く出入りする公園にあるため、取り組みが見えるのはよいと思いました。

 いたるところに学びがあり、書ききれていないところもたくさんあります。外から見て、作業を行った場所の様子や、その結果が見える形になっていたのが、印象的でした。資材置き場や落ち葉ステーションも、見え方に工夫を感じました。小菅村での活動においても、村の人たちに見ていただけるような場づくりを考えたいです。

 また、小菅村で活動するつくる座、フォレストアドベンチャーチームとも小菅村での水源の森再生プロジェクトの展開について、意見交換ができました。

 2022年度の講座は、4月のマウンドづくり、5月の植樹を予定しています。2月下旬には、講座の告知を予定しておりますので、お待ちください。

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